ヨーガのはなし 2015年 8月21日
今日本には、スポーツジムやヨーガ教室などでヨーガを体験できる施設が何千とあり、どこも女性の
お客様で溢れかえっている状況です。その目的は、ヨーガを通して、心と体の状態を整えることでしょ
うか。確かにその効果には大きなものがあります。そうして、日々心と体を整えることを楽しまれるこ
ともとても大事なことですが、折角ヨーガに巡り合ったのですから、その原点を知ってヨーガの奥深さ
に浸ってみるのも良いことではないでしょうか。
そもそも、ヨーガの語源は、牛馬と車を結びつけるくびきから来ています。では、ヨーガでは何と何を
結びつけるのでしょうか。それは心と体によって形成されている自己の本質すなわち真我を、あらゆる神
羅万象を形作っている宇宙の根源と結びつけることなのです。
そのためにいろいろな修行法が開発され現在に至っています。ヨーガの歴史は3000年とも4000年ともいわ
れるくらい長い歴史を持っています。一説では四大文明の一つであるモヘンジョダロの遺跡にヨーガポーズ
の彫刻が残されていると言われています。こうした長い歴史の中で作り出された、根本経典といわれるヨー
ガスートラから、八つの段階の行法を紹介することにします。
1.
ヤマ(禁戒) 不殺生、誠実、不盗、不淫、不貪という対人関係に対して自分の心を戒める行法。
2.
ニヤマ(勧戒) 清浄、知足、苦行、読誦、祈念という対自己に対して心を戒める行法
3.
アサナ(坐法) 坐法を通じて、心を安定と快適に導く行法
4.
プラナヤマ(調気法) 呼吸を通じて、気を体内に取り込む行法
5.
プラチャハーラ(制感)人間のもつ五感の動きを抑えて外界との知覚的交渉を絶つ行法
6.
ダーラナ(凝念) 諸感覚を動かぬようにおさえることで、修行により外界を相手にしないことで
寛ぎがもたらされる行法
音や視覚や体の一部に一念集中しつくす行法
7.
ディヤーナ(静慮) 凝念で得た対象を手掛かりとした想念が中断しないで伸展していく行法
音の中断や、視覚を遮断したときの余韻、恰も水面の波紋の広がりを味わう行法
8.
サマディ(三昧) 静慮を進めて行くと、主観面の存在が忘れられ、対象の客観面が意識の全領域
を占領するようになる。そこに三昧の境地があらわれる。無我の境地。
以上の8つの行法が解説されています。
日頃皆さんが、ヨーガ教室で教えてもらっているのは、3番目と4番目の行法だと思います。6番目から8番目は、
瞑想と呼ばれる行法の中で深めていく行法になります。ヨーガ教室で心と体を整えたあとで、たまには静かな環境
で瞑想し、三昧に思いを馳せてみるのも素晴らしいことだと思います。
以上